天地明察 --- 冲方 丁 (うぶかた とう) --- 単行本


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この本も「回し読み」の本。新刊本、お値段は決してお安くはありませんから。^_^;
 
で、この場合も
本の重量が重たそうで、題名も何やらややこしそうなもの・・・
だったので、一行目を読むまでにちょっとした時間が掛かった。
 
いやはや、二行目からは早かった。いきなり嵌っていった感じでしたね。
面白い物語だと思う。
それにしても、「小説家」と言う方々は文章を書く力は勿論だけど、専門的な世界を読み解いて且つ好奇心を持って物語を構成していく・・・技が凄いですね。
この物語の場合は、囲碁の世界、時の算術(数学)の世界、天文の世界・・・勿論、時の徳川将軍の動向などの知識が必要だ、凄いことだと思いながら読み進んでいた。
 
渋川春海が中心となって、中国伝来の暦から日本人の研究・計算による暦へと転換していく過程を山あり谷ありの物語にしたものだと思う。
 
今から、340年程前の物語だ。
 

貞享暦(じょうきょうれき)
とは、かつて日本で使われていた太陰太陽暦暦法である。初めて日本人の手によって編纂された和暦である。
 
使用期間貞享2年1月1日(1685年2月4日)に宣明暦から改暦され、宝暦4年12月30日(1755年2月10日)までの70年間使用された。宝暦5年1月1日(1755年2月11日)、宝暦暦に改暦される。
 
貞享暦は、渋川春海の手によって完成したもので、貞享元年10月29日(1684年)に採用が決定した。
渋川春海は、中国の授時暦を元に自ら観測して求めた日本と中国との里差(経度差)を加味して、日本独自の暦法を完成させ、大和暦(やまとれき)と命名した。
当時使われていた宣明暦は、800年以上もの長きに亙って使われたため誤差が蓄積し、実際の天行よりも2日先行していた。
また、各地で独自に宣明暦に基づいた暦(民間暦)が発行され、それらの中には日付にずれが生じているものもあり、暦の全国統一をする必要があった。
朝廷は、当時明で使われていた大統暦に改暦する予定であり、貞享元年3月3日には、大統暦改暦の詔まで出されていたが、渋川春海が採用を願い出た大和暦を採用することとし、当時の元号から「貞享暦」と命名した。
渋川春海はこの功により、幕府から新設の天文方に任命された。
なお、800年ぶりの改暦は当時話題となり、井原西鶴は『暦』、近松門左衛門は『賢女手習並新暦』を執筆している。
Wikipedia より)

【思い出す為のメモ】 
金王八幡宮・・・絵馬
 
【登場人物】
数学の世界:えん、関孝和、村瀬義益、安藤有益
天文と政治の世界:水戸光圀酒井忠清保科正之山崎闇斎、建部昌明、伊藤重孝
囲碁の世界:安井算知、安井知哲、本因坊道策
 
春海の妻:こと
 

冲方 丁(うぶかた とう)
 
日本のライトノベル作家、SF作家、コンピュータゲーム制作者、漫画原作者、アニメ制作者である。
 
1977年、岐阜県各務原市生まれ。
4歳から9歳までシンガポール、10歳から14歳までネパールで過ごす。
その後、埼玉県立川越高等学校に入学。
早稲田大学第一文学部中退。
小説のみならずメディアを限定せず幅広く活動を展開する。
 
 
家族は妻と息子。
自宅は福島県福島市にあるが、2011年3月11日に発生した東日本大震災により母と妹夫婦の住む北海道池田町に避難し、そのまま十勝地方に移住する意向である。
Wikipedia より)
 
この作品は「野生時代」2009年1月号~7月号に掲載されました。
単行本化にあたり加筆、訂正を行っています。
 
平成21年11月30日 初版発行
平成22年5月20日 12版発行
発行所 (株)角川書店