とける、とろける --- 唯川 恵 --- 文庫本

食欲の秋、運動の秋・・・芸術の秋。
読書の秋でもあるが、ここのところあまり進んでいない。理由はいろいろと思い付くが、元来それ程集中力が持続する性質(たち)ではない事も大きい。
 
それに加えて、最近テレビでも話題となった「海炭市叙景」(佐藤泰志)に取っついたのもブレーキの一つだ。これは、函館市を舞台に描かれたとの事であるが・・・辛い展開だ。作者も自死している。
なので・・・心が逃げたのかも知れない。
 
そこで これは後に回すとして・・・これにした。
 
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平成20年3月新潮社より刊行。
平成22年11月1日 新潮文庫で発行。
 


唯川 恵 (ゆいかわ けい、1955年2月1日 - )
石川県金沢市生まれの小説家である。本名は宮武泰子。
石川県立金沢錦丘高等学校、金沢女子短期大学(現金沢学院短期大学)卒業。北國銀行に就職し、コンピュータルームに配属され、同銀行で7年、義兄の会社で3年、計10年のOL生活を経験する。茶道、華道、洋裁、エアロビクス、三味線、レザークラフト、着付け、医療事務などの習い事などをするが長続きせず、唯一続けていた日記から小説を書いてみようという気になる。
1984年『海色の午後』で集英社第3回コバルト・ノベル大賞を受賞し、作家デビューする。ペンネームの唯川恵は、母が若い時映画雑誌に投稿した折のペンネーム「行川奎」(ゆいかわ けい)からとったもの。

恋愛小説といえば唯川恵と、言われるほどになり、2001年『肩ごしの恋人』で第126回直木賞を受賞した。(Wikipedia からの転載です。)


 
彼女が直木賞を受賞した2001年の頃は金沢に居た。
金沢の政財界では話題になったものだ。小説の世界には疎いからだと思うがこんな作家が居たのかと吃驚したものだった。
それでも・・・軟弱な読み物なぞは読まないぜ的な思いだったので、この本が初めて。
 
もう一つ・・・いつだったか、だいぶ前だが彼女と渡辺淳一の対談を読んだか、見た。その記憶で両者は愛&性描写のでは一致しているかの印象が残っていたので・・・
 
イメージ 2 新刊発売の新聞広告で見た題名だけで手に取った。
 
・・・そんな内容だったな。
でも、渡辺淳一とはチト違う印象だ。サスペンスやホラーの雰囲気をちりばめている。そんな意味では濃い性描写の裏に潜む、性のぞくぞく感ではないものを感じた。
 
九編の短編からなる一冊だ。