農協の大罪 --- 山下一仁 ---

題名の副題に・・・
「農政トライアングル」が招く日本の食糧不安
と付いている。

著者は、1977年東大を卒業し農林省入省、2008年農水省退職
2009年1月24日 第1刷発行

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ここで言うトライアングルとは、「農協=自民党農水省」のつながりを言うそうです。

実は、会社の仲間と飲んだ時、「農業で生活は出来ない状態になっている。農業だけで生活できる収入が得られる仕組みが必要だ。」とボクが主張したことに対し・・・
「それは農家自身の努力、工夫が足りない。農協頼みでいるから駄目なんだ・・・」
といったような会話があって(少々盛り上がったんですが)

そんな訳でこの書を手に取りました。
が、やはり・・・難しい^_^;

農業規模の拡大→農地の集約→兼業農家の減少 だと農協組織の弱体化=自民票の減少 なので阻止!

米余り→米価の下落→農協の取り扱い手数料の低下 故に、米価の高位安定化に自民党農水省に圧力。

兼業農家が減少することは、農協にとって他にもマイナスがある。
高い農薬・肥料や農業機械の売り先が少なくなる。
つまり、いまや農協は農業振興に働いているのでは無く、自己の組織維持に向けて蠢いている感じです。

自分の田舎は福井県なんですが、田舎の農家は殆ど「兼業」です。農家だけでは生活維持が出来ないと聞きました。そんなのはおかしいですよね。
でも反面、大都会近郊の農家には違った疑問があります。その農地・・・元々誰のものだったの?君のものだったのかい?それを宅地化の波に乗って高く売ったり、アパートを建てて家賃収入で豪邸に暮らすっておかしいじゃない!?(少し怒りデス。)
 戦後の「農地解放政策」で手にした方が多いのではないかと思う。(注:少し、いや、かなり僻んでみているので・・・あくまでも「思う」です。)

自己存続に目的化した農協の解体消滅と同時に農家自身の自己努力ってことになるんでしょうかね。
何せ時代劇の米問屋は「悪よのぉ~」って筋書きが多いような・・・(^^ゞ