季節風 夏 --- 重松 清 ---  文庫本(図書館)

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今回も・・・
よく泣かされたわ。

☆ 親知らず
親知らずの痛みとの腐れ縁は妻との付き合いより長い。
子供の頃は虫歯のポスターが嫌いだった、父親の仕事が重なるから。
虫歯を放置した小学生の頃、治療を終えて母におんぶされて「おひゃあひゃん」と呼んだ記憶。

あじさい、揺れて
兄、姉、ボクの三人兄弟。兄は結婚して子供を残して他界。
その義姉が再婚すると打ち明けた。
ガリガリ君ソーダーとコーラ、ドラキュラ食い。甥っ子に教えてやった。

☆その次の雨の日のために
中学生の不登校児を受け入れる「虹の子学園」での話し。不登校児と先生。
傘は雨が上がったら要らなくなる?でも、次の雨に備えて・・・

☆ささのは さらさら
父が亡くなって三年。お母さんが再婚を告げた。
小6の弟とわたし。抵抗するわたし。

☆風鈴
同棲中の二人の隣部屋に新婚さんが越して来た。風鈴が付けられた。
その新婚さんが、新婚旅行中の交通事故で亡くなった。
「もっと幸せになれた」二人。

☆僕たちのミシシッピー・リバー
小学校の友達が転校してしまう。転校して行くトオルと最後に遊びに出掛けた。町に流れる川を下って海を見に行こう!
突然の雨の中で「転校はいやだ~」と泣くトオル

☆魔法使いの絵の具
高校時代の同級生が久しぶりに帰ってきた。都会で・・・うまく行かなかったらしい友達。帰り際にその子に、一緒にツユクサから色水を作る遊びを教えた。

☆終わりの後の始まりの前に
高校野球の地区予選、二回戦で強豪校と当たって最終バッターとして打席に入り、フルカウント「遠い、低い」と見定め見送った・・・ストライクの判定。
納得がいかない。
が、そんなこともある。

☆金魚
小学校の同級生の「山下のケンちゃん」ヤマケンは、33年前の小学校5年生のときに川に落ちて亡くなった。
金魚すくいの金魚を川のブロックの隙間に放したのを明くる日見に行って落ちたのだ・・・

☆べっぴんさん
風呂上がりにおばあちゃんが体一杯に「天花粉」をつけて・・・「べっぴんさんになったなあ」と。

☆タカシ丸
癌に冒された父。夏休みの工作に、船をつくることにした。帰宅許可をもらって帰って来た父に手伝ってもらって出来た船。父の名前をつけた。

☆虹色メガネ
視力が落ちてきたワタシ、夏休みに眼鏡を作らされた。クラスの女の子では一人しか居なかった。眼鏡チャン2号になる、囃されたり、騒がれたりするのが厭だった。何せ、眼鏡チャン一号を囃し立てたのはワタシだ。
眼鏡屋で、その眼鏡チャン1号に出会う。買った眼鏡を褒められたし・・・
眼鏡掃除液で遊ぶ事も教えてくれた。



産經新聞大阪本社夕刊にて毎週土曜連載『季節風』(2006年10月7日~2007年9月29日掲載)より11編、および『オール讀物』2006年9月号掲載「金魚」を単行本化にあたって改稿・改題いたしました。

単行本 2008年6月 文芸春秋


2007年7月10日 第1刷

千代田区立図書館蔵