スカートの下の劇場 --- 上野千鶴子 --- 文庫本

 
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こちらの方は、お固い学者さんなんだが下ネタがお好きだと聞いた。
なので、新宿の紀伊国屋書店に行ってこの本を探してきた。

こんな出だしではじまる。
 
人はいったい、いつごろから下着を身につけるようになったのだろう?
いや、遠まわしな言い方はやめよう。私はもっとも狭い意味の下着 ---つまり性器を覆うもの--- にしか興味はないのだ。

本の題名といい、この出だしといい・・・期待が持てるではありませんか。

が、しかし・・・作者ご自身があとがきで書かれています、

爆発的に売れた本書に、もしシリアスなるタイトルを与えるとすれば「女性の自己身体意識の構成について On Construction of Wemen' Self-Consciousness on Body」とでもなっただろう。それに「下着の歴史を通してみた Through A History of Underware」が付け加わる。

と言っておられる。もう少し端的にすれば・・・「下着の歴史を通じてみる、女性の自己身体意識の構成について」 とでもなるのでしょうか。
 
さらに、あとがきの別の部分には、
 もし、本書が「女であることの謎」を解くことに、何がしかの貢献をしたとすれば(後略)
と言うくだりもありました。つまり、そうゆうことなんでしょう。
そんな訳で、胸時めかしたワタクシの下世話な期待は見事に外れました。(^^ゞ

色々とご紹介したい気持ちですが、この著者は「社会学者」なんですね、なので社会を「学」する訳ですから・・・ええ、社会に屯する凡人には紐解けない表現が多くてムリですね。

ただ、この本が単行本として出されたのは1989年8月と言う事ですから、今から20年以上も前ってことですが、草食系男子セックスレスカップの出現を予言している辺りは、パンティーの変遷を通じ、しっかりと社会&時の流れを見据えていた、ってことですね。
 
1989年8月 河出書房新社より単行本として刊行
1992年11月4日 同社より文庫本 初版発行
2010年4月30日 22刷発行
 

 
上野千鶴子 1948年、富山県生まれ。京都大学社会学科卒業。東京大学教授。社会学者。
1989年に本書を発表して女性の問題に広範な男性読者をまきこみ、1990年には『家父長制と資本制』(岩波書店)によりマルクス主義フェミニズムの理論を確立。その他の主著に『女という快楽』(勁草書房)、『性愛論』(小社)などがある。