明日はわが身 --- 高杉 良 --- 文庫本

ここのところ・・・秋だと言うのに、「読」がすすみません。
「食」と「飲」は順調ですけど。
 
久々に、ようやっとの事で読み終えました。
・・・結構長い間、鞄の重石になってました。
 
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「明日はわが身」・・・いろんな意味合いで思い続けている言葉です。
親父が、体が思うように動かなくなった時、若干の面倒をみている時もそう思った。
TVドラマで主人公が左遷される場面を観ている時も・・・
 
それがあって、BOOK-OFFで題名が先に目に入った一冊だった。
 

エリートコースを歩むトーヨー製薬の小田切健吾は、上司の村富が派閥抗争に敗れたため左遷された。そして一年。ストレスから胃潰瘍を患い、輸血により血清肝炎にもかかった小田切に、退職勧告と婚約解消が伝えられた。四面楚歌のなか、やがて職場復帰した小田切に周囲は冷淡だった。そんな時、NY赴任中の村富から、ある勧誘が・・・・。会社の非情とサラリーマンの苦衷を描く傑作企業長編。(「白い叛乱」改題)    --- 背表紙より ---

 
巻末の、佐高 信氏の解説の文末にある一文・・・
 
(まえ略)
そんな小田切に訪れる左遷、病気、退職勧告は、まさに読者にとっても他人事ではない。題名通り「明日はわが身」の話なのだが、上司に媚びない人たちにのみ、わかる喜怒哀楽というのもあるのであり、それを高杉はこの小説で描いて、サラリーマンへの応援歌としている。最終章が「再出発」であるゆえんである。
1995年3月
 
・・・感慨深い解説だわ。
 
1997年に日本経済新聞社から初刊本。
1995年 徳間書店より文庫本初版発行。
 
1997年(平成9年)と言えば・・・東京を去る最終の年だった、わが身47歳。
はは、左遷ではなかった(筈??)ですよ。
福井の実家で母が痴呆で既に煮炊きは出来ず、父がやっていたところへ、その父が倒れ、最早これまで!と思って・・・
その父も、自分の都合で札幌まで連れまわして、札幌で他界しました。
なんだかねぇ~、ここにきてその事がじわ~っと「後悔」の念が湧いてきてます。
 
明日はわが身