シェエラザード(上・下) --- 浅田次郎 --- 文庫本

浅田次郎って・・・凄いわ。
富山特派員のお下がり本。だいぶ前から存在は知ってはいたけど、題名からして手に取る気が起らなかった一冊だった。
理由? 題名が意味不明だし、カタカナだし・・・ね。
 
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 この作品は学芸通信社の配信により、東京中日スポーツ中日スポーツ(平成8年10月22日~平成9年10月12日)、愛媛新聞岩手日報新潟日報石巻新聞、日本海新聞福島民報西日本スポーツなどに、順次掲載された。文庫本は、講談社より2002年12月15日第1刷発行。
 
先ずは「シェエラザード」って何だ?
 
この曲のタイトルとなっている「シェエラザード」は,アラビア文学を代表する説話文学「千夜一夜物語アラビアン・ナイト)」に出てくるヒロインの女性の名前です。文字通り,”1001夜”に渡って語り続けられることになる物語の”枕”となるのがこのシェエラザードのお話です。

シェヘラザード』(Шехераза́да)作品35は、1888年夏に完成されたニコライ・アンドレイェヴィチ・リムスキー=コルサコフ作曲の交響組曲である。千夜一夜物語の語り手、シャハラザード(シェヘラザード、シェエラザード)の物語をテーマとしている。シャハラザードを象徴する独奏ヴァイオリンの主題が全楽章でみられる。各楽章の表題は本来は付けられていない。作曲途中では付けられていたものの、最終的には『アンタール』のように《交響曲第4番》として聴いてもらうために除去したものといわれている。
Wikipediaより)
 
つまり・・・交響組曲の題名だってか。
 
では、シェエラサードさんって・・・???
 
妻の不貞を見て女性不信となったシャフリヤール王が、国の若い女性と一夜を過ごしては殺していたのを止めさせる為、大臣の娘シャハラザード(シェヘラザード、شهرزاد)が自ら王の元に嫁ぐ。そしてシャハラザードは千夜に渡って毎夜王に話をしては気を紛らわさせ、終に殺すのを止めさせたという物語が主軸となっている(また、姉のシャハラザードの傍らに、妹のドゥンヤザードもいる)。話が佳境に入った所で「続きはまた明日」とシャハラザードが打ち切る為、王は次の話が聞きたくて別の女性に伽をさせるのを思い留まり、それが千夜続いたという。説話は、冒険商人たちをモデルにした架空の人物から、アッバース朝のカリフであるハールーン・アッ=ラシーや、その妃のズバイダのような実在の人物までが登場し、多彩な物語を繰り広げる。説話は様々な地域に起源をもち、中世のイスラム世界が生き生きと描き出されている。(Wikipediaより)
 
だ、そうだ。
題名と物語・・・最終章にこんな一文が・・・
そのとき、スピーカーから美しい音色が聞こえました。誰かが談話室でレコードをかけたのでしょう。
シェエラザード・・・・千一夜の夢。
愛していた妻の不貞により、すべての女性を呪うようになったシャリアール王は、
美しく賢い娘シェエラザードの寝物語に耳を傾けるうちに改心をします。
そんなアラビアン・ナイトの世界を、船乗りたちは信じていたのかもしれない。
 
 
下記の「阿波丸事件」を題材にしているそうです。
 
1945年(昭和20)4月1日にシンガポールから日本へ向けて航行中であった貨客船「阿波丸」が、アメリカ海軍の潜水艦「クイーンフィッシュ(USS Queenfish, SS-393)」の魚雷3本(4本との説もあり)を受け台湾海峡の平潭県牛山島付近で沈没した事件。(Wikipediaより)
 
【思い出すための記録】
沈没船:弥勒丸・・・開戦直前に竣功した豪華客船
 
軽部順一:元エリート銀行員。今は共道会系消費者金融「栄光商産」社長
日比野善政:元自衛隊幹部で同社専務
久光律子:軽部のかつての恋人。新聞記者
 
宗英明
弥勒丸引揚げ費用100億円
 
全国船舶連合会 会長 小笠原太郎 内務省官僚、小笠原機関
共道会会長 山岸修造
衆議院議員 高松貞彦 元海上幕僚長・海軍少尉
九洋物産 相談役 篠田郁麿 陸軍参謀終戦時陸軍少佐
 
帝国郵船「弥勒丸」船長 森田新一郎
同船に乗り込む 大本営陸軍部船舶課 少佐 堀勝一
同 海軍中尉 正木幸吉
同 ベーカー 中島吾市
 
日銀昭南(シンガポール)支店 土屋和夫 小笠原機関に出向
島崎百合子 当時の土屋和夫のいいなずけ。