ここのところ、お下がり読書が続いている。
開発から30年、年老いたニュータウンで迎えた定年。途方に暮れる山崎さんに散歩仲間ができた。「ジャージは禁物ですぞ。腰を痛めます。腹も出ます」先輩の町内会長、単身赴任で浦島太郎状態のノムさん、新天地に旅立つフーさん。自分の居場所を捜す四人組の日々の哀歓を温かく描く連作。「帰ってきた定年ゴジラ」収録の完成版。
本書中の作者による「文庫版のためのあとがき」から、部分的に引用する。
主人公の山崎さんが60歳で定年退職した。文中で、長島茂雄と同い年と言うから・・・1936年生まれだ。
60歳を迎えたのは、1996年だな。その時の ken-ta くんは・・・46歳、作者は、33歳・・・か。
東京郊外のニュータウン―本書の舞台・くぬぎ台にも重なり合う、少々トウのたった住宅地に、29歳の頃から暮らしている。--- 中略 --- 我が家でもその時期、実父と義父があいついで会社を定年退職していた。 |
父親の世代を主人公にした物語を、三十代前半の息子が、しかも三人称で書く --- 後略 --- |
主人公の山崎さんが60歳で定年退職した。文中で、長島茂雄と同い年と言うから・・・1936年生まれだ。
60歳を迎えたのは、1996年だな。その時の ken-ta くんは・・・46歳、作者は、33歳・・・か。
年齢をクドクドと調べたには訳がある。自分の子供の頃、入社した頃、東京に転勤してきた頃・・・そして今のマンションを永~いローンを組んで買った頃を思い返していたからだ。
小説家とは言え、昔の事をこれほどまでに描けるものなのか、と。
小説家とは言え、昔の事をこれほどまでに描けるものなのか、と。
山崎さんの家族、そして三人の仲間達の心情・・・身につまされる物語だった。