鉄道員(ぽっぽや) --- 浅田次郎 ---

(書きかけです。)

先に読んだ、「月のしずく」の後書きで、
浅田次郎の代表作はこれだ!と力説されていたので・・・ブック・オフで(^^ゞ
おお、結構なページ数だな。
辛気臭そうだし・・・喰い付き悪そうだから、時間が掛かるな、
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と、思いきや!!
え!
もうお仕舞い!? は!? 短編だったん??
映画化したのじゃ無かったっけ???

と言うのが最初の短編「鉄道員(ぽっぽや)」を読んでしまった直後の??と驚きと感動でした。
はぁ~!!
凄い小説ですね。

思わず、2回目は時系列と登場人物の色合いを伺いながら・・・
3回目はもう一度感動を徐々に高めながら読みました、ハイ。



この文庫本の紹介文
日本中、150万人を感涙の渦に巻き込んだ空前のベストセラー作品集にあらたな「あとがき」を加えた。
第117回直木賞を受賞。



鉄道員(ぽっぽや)
 キハ12形気動車

主な登場人物
 乙松(中心人物1):佐藤乙松
   その妻
   その二人の子:雪子(ユッコ)
 仙次(中心人物2)
 その子:秀男(北大卒業して、JR北海道の本社課長)

 セルロイドのキューピー人形

私見 あくまでも、私見(^^♪
時は、1月3日の18時35分から始まって
その日の夜は、乙松と仙次は幌舞駅の宿舎で「飲んだ」

仙次は「脳梗塞」で4日の最終便を送った直後に倒れた。

5日の一番列車が発見。
その日が通夜(と言うか、最後の駅舎で眠った。)
6日の昼頃のキハ12形気動車で美寄市へ向かう。

自分の知ってる景色の中から、この舞台を選ぶとすれば・・・
 美寄は「滝川市
 幌舞駅は「芦別駅」(芦別駅の風景

1月3日から6日の五日間の物語だけど、実質は3日から4日の一日と半分の物語。

・・・映画に出来る蠢き(うごめき)かも知れないナ。



ラブ・レター
高野吾郎とカン・パイ・ラン(康白蘭)のグッと来る切ない話し。
高野吾郎、裏ビデオ屋の雇われ店長
カン・パイ・ランは、日本に出稼ぎに来た中国人。吾郎と偽装結婚

カン・パイ・ランは、病気で死ぬがその病床で見知らぬ吾郎に手紙を書き続けていた、ラブレター。
このラブレターが、吾郎がパイ・ランを思い遣る流れが感涙を誘う。

骨箱に「高野白蘭」と書いて吾郎の故郷に帰ることを決めた・・・


悪魔
これは、よくわかんない。(※1)

大きな屋敷に住むお坊っちゃま「僕」からの視点で物語が進む。
母と家庭教師、東大医学部生の蔭山が主に登場。

「僕」は、この家庭教師が死ぬほど嫌だった。

「僕」の家は没落して行った。

どうやら、家庭教師の蔭山と母がただならぬ仲になって行った様だ。
だから「僕」は蔭山は悪魔だと思っていた。

よく、わかんない。けど、気味悪さは残った。

角筈にて
商社勤めの貫井恭一と妻、久美子(旧姓 堀内)、そして久美子の兄、堀内保夫。
恭一は、新宿・淀橋にあった堀内の家に預けられて育った。

恭一の「大左遷」の壮行会から物語りは始まる。

「恭ちゃん、おとうさんはちょっと用事があるから、淀橋のおじさんの家に行ってなさい。
角筈からバスに乗って、二つ目。わかるよな」
と言って別れた父、迎えにはきてくれなかった。

海外に旅立つ直前に父が現れた。!!

伽羅
20年前の事を回想している。

ファッション・メーカー「サン・ドミニコ」の営業マン、私。

同じく競合相手のブロニューの営業マン、小谷。

ブティック「伽羅」の店主:立花 静

こんな一文がある・・・
『恐ろしいことを考えた。もしかしたらーーこの人はもう死んでいるのではないか。「伽羅」は幻の店なのではないか、と。』
ツボは、この辺なのかな? わからない。(※1) 情景はありありとわかるのだが・・・

どうやら、一度読んだだけでは駄目なようだ。でも、これはもう一度という気にはならなかった。


うらぼんえ
物心つかぬ頃に父母が離婚、祖父母に育てられた。
高校生のときに祖母が、大学3年の時に祖父が死んだ、
それがこの物語の中心「ちえ子」だ。

ちえ子の夫は、気の弱い外科医。その夫に女が出来、子供までできた。

夫の祖父の新盆に夫の実家に行く。(その場所は静岡県掛川近辺?と、ボクは推理している。)

子供を作らないことを理由に、親族一派が離縁を迫る。そして、迎え火が焚かれて・・・この家の祖父に代って、ちえ子の祖父がやってきた・・・


ろくでなしのサンタ
クリスマスイブに、起訴猶予で釈放された柏木三太。
雑居房で一緒だった北川。
北川はしばらくは出られない。彼のおふくろと女房と娘二人が団地で待っている。

有りったけの銭で買ったばかでかいスヌーピーをねんねこに背負って、饅頭を十個をジャンパーの懐に入れ、真っ白いシクラメンの鉢を掲げて向かう所は・・・

グッとくる展開だ。分りやすくていい。


オリヲン座からの招待状
京都・西陣で暮らしていた「昔の誼み」で夫婦になった、三次祐次と良枝。
祐次が浮気をしたことから別居、離婚の危機状態にある。
祐次は、会社での立場上から離婚は避けている。

そんな二人が、西陣で最後の映画館「オリオン座」の最終公演の招待状を受け取る。

オリオン座の老館主。
公演が終わって、東京にとって返す・・・か?
良枝・・・「なあ、祐ちゃん。うちどないしたらええのんやろ」
祐次・・・「やめや」


あとがきにかえて 「奇跡の一巻」(作者自身のあとがき)から
1994年からほぼ一年半をかけて長編「蒼穹の昴」を書き上げたあとの短編で、
「あなたに起こる、やさしい奇蹟」 この「奇蹟」をモチーフとした短編をあつめたそうです。

角筈にて」は作者の幼児体験、「伽羅」はその業界に居たことの記念だと書いてます。
「ろくでなしのサンタ」には人知れぬ秘密が隠されているのだそうな。

解説・北上次郎 から
この本が良い!!と言う読者には、
鉄道員」「ラブ・レター」「角筈にて」「うらぼんえ」の四派があるのだそうです。
ボクは・・・
困るなぁ^_^;



この本、これからの「人」に受けるだろうか?
何の問題も無く育った人が多くなった今、自分の「原体験」と掛け合わせて感じることの出来る人は少なくなったような気がしてます。

でも・・・これがこれからも「受ける」社会もいいのかもデス。

(完)

※1 「わからない」のは雰囲気とか情景が判らないのではなく・・・ボクに何を判らせたいのかが見えないと言う意味です。