月のしずく --- 浅田次郎 ---

浅田次郎」・・・平成の泣かせ作家?


知ってはいたが、「プリズンホテル」 以来、その文体って言うか、「笑わせる」タイミングと泣かせるタイミングが心地よくて・・・また手に取った。^_^;

イメージ 1


短編集です。

月のしずく
 これ以上は無い程の素朴な荷役夫「蟻ん子」と捨てられた女の出会い。優しさに泣く女

聖夜の肖像
 私を「優しく、あくまでも愛する」夫と、パリでの私の愛おしい恋人への忘れられない想い。
 そして年月を経た出会い。その時の・・・優しさへの感謝?

銀色の雨
 任侠の潔さだけが目立ったけど・・・優しい年上の女の情が泣ける。

琉璃想
 上司と部下と、部下の婚約者がその上司の永い間の愛人。上司が生まれ育った北京で告白する・・・
 ・・・「優しさ」と思い遣りかな?出来てしまった事と、そことの決別かな。涙だ。

花や今宵
 成就しない別々の男と女。それぞれの理由で乗り過ごしてしまった最終電車の終着駅での出会。
 ・・・何が男と女を引き寄せるのか・・・考えてしまう。

ふくちゃんのジャック・ナイフ
 集団就職で来た「ふくちゃん」と雇い主側のボク。ふくちゃんが出会った女とのハッピーエンド?

ピエタ
 自分を捨てた母に会う娘。沢山の恨み&愛惜もって・・・ローマで会う。最後は泣かされた。

どれも、電車の中とか喫茶店で読んでいると突然泣かされる。
・・・みっともないけど・・・突然。
メガネをおもむろに外して、ポケットからハンカチを出して・・・
汗をぬぐう振りして目頭を拭く。
・・・はぁ~

肩も時折、震えてしまった。


「解説」の中で「鉄道員(ぽっぽや)」が代表作だと書いてある。
映画化された話。
実は、そんなジャンルはあまり近付きたく無いと思うのが・・・天邪鬼かも^_^;

それにしても、よく泣かされたものだ。