「鉄の骨」 --- 池井戸 潤 ---

正月も明けた頃だったか・・・
富山特派員から「空飛ぶタイヤ」を書いた池井戸潤の「鉄の骨」、今建設業界人から絶賛されてるそうだけど読んだ?と話をされた。今年の第142回直木賞の候補作でもあると。

ふぅ~ん・・・買ってみるか、と思っていた目の前に同僚から、これ読む?と差し出された。
仕事柄、話題の本は読んでおくって方も多い。が、安いものでもないので気の合った仲間内で読みまわしする事が多い。
「読みまわし」は懐にも良いし、狭い家のストック場所節約にもなる。(^^♪

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残念ながら、2010年1月14日発表の直木賞には至らなかった。

帯にある
「会社がヤバイ」の会社は一松組。
「彼女がヤバイ」は、主人公 富島平太の彼女 萌 のこと。

一松組
 
 業務課員 富島平太:入社3年ずっと現場一筋であったが、突然業務課に異動となる
 業務課長 兼松厳夫:青白い顔をした、40代半ば 神経質そうなネズミ顔の中間管理職だが、
      かつて営業部のエース
 業務課員 西田吾郎:30過ぎ、脂肪太り、よれた安スーツ
  〃   柴田理彩 
 
 常務 尾形総司:元大手ゼネコン清水組の役員 
         将来の社長候補といわれる実力者。ニックネームは大仏様
 社長  松田 篤:創業家出身の二代目社長
 
山崎組 顧問  三橋萬造:業界最大のフィクサー 天皇と呼ばれている大物
       関東一円の大型工事を調整、仕切る。
       妻は大物建設族国会議員 城山和彦の妹
 
真野建設 営業部長  長岡 
村田組  常務   岸原
青島建設 役員    木村      
 
白水銀行
  為替係  野村 萌:平太のガールフレンド 大学で同じサークル  
  融資課  園田俊一:萌の銀行の4つ上の先輩。萌に好意 ← こう言うのを「横恋慕」と言う。
 
城山和彦:道路族大物議員  様ような公共事業に関する情報を握っている。
(枠内は、富山特派員の編集によるものです。)





【備忘録】
折りしも、昨日(2010年1月15日)、民主党小沢幹事長資金管理団体陸山会」の土地購入問題を巡る政治資金規正法違反事件で、小沢氏の秘書だった石川知裕衆院議員が東京地検特捜部に逮捕された。
検察は岩手・胆沢ダムの工事の受注を巡る「金」の動き、行き先を解明する事が主かも知れない。(?)

この物語は、そんなアンダーグラウンドな世界のお話。
昨今、どこの建設会社も工事量の減少で青息吐息。一松組も社長が自ら銀行に日参して運転資金の工面に走り回っている中、起死回生の大型のトンネル工事受注に向かって走り出す。平太が所属する業務課が中心である。指揮するのは大仏様の尾形常務。

そこには、大物政治家も業界フィクサーも登場する。平太の母とフィクサー三橋萬造がかつて知り合いだったってところは流石に「小説」だ。しかも、淡い匂いがする。

平太の仕事の流れと平行して、萌の心変わりの様が、硬い本を読んでいるんだと思っているボクにはもどかしく思ったが、
ひょっとして・・・世の彼女達!彼は純真で真っ直ぐで仕事に打ち込んでいる!チョッと逢えないからと言って他のグータラ男に目移りさせるんじゃない!!いつでも逢いに来る男なんてロクでもないぞぉ!
・・・が主題かも知れないネ。(^^ゞ

調整、談合、談合破り・・・裏金、そして検察ガサ入れ、この業界をかなり勉強した流れだ。