剱岳 点の記 ---新田次郎---

イメージ 1

「まえがき」より

点の記とは三角点設定の記録である。一等三角点の記、二等三角点の記、三等三角点の記の三種類がある。三角点標石埋定の年月日及び人名、硯標(測量用やぐら)建設の年月日及び人名、測量観測の年月日及び人名の他、その三角点に至る道順、人夫賃、宿泊設備、飲料水等の必要事項を集録したものであり、明治21年以来の記録は永久保存資料として国土地理院に保管されている。
 なお、一般的に点の記というと三角点についての記録であるが、多角点、水準点、磁気点等の測量標にも点の記が残されている。

日露戦争直後にまだ未踏峰と言われた「剱岳」山頂に三角点を置く命令を受けた測量官、柴崎芳太郎と地元の人夫、長次郎と鶴次郎等の苦闘を描いたもの。

スリルとサスペンス?は一読下さい。

その昔の地図作成は「内務省地理局測量課」だったものが、この時期には「陸軍参謀本部陸地測量部」の仕事となったようです。
今風で言えば、民間から軍に仕事が取り上げられたって事でしょうか。